池袋ウェストゲートパーク11 憎悪のパレード

 池袋ウェストゲートパーク11 憎悪のパレードを読む。

 シリーズが好きだったので、楽しみにして読むものの、こんなにダサかった、鼻につく小説だったっけと思ってしまった。なので今回は、何が鼻についたのか考えてみたところ、二つあった。
 ひとつめは、ノマドワーカー、ヘイトスピーチ、脱法ハーブなどの社会問題をテーマに据える点。いままでは、こんな週刊誌に取り上げられるような問題よりも、若者の風俗、それも池袋の町特有の時代の空気感があった。今回の話については、社会問題×池袋ウェストゲートパークで、考えたらこんな小説できました、感覚かある。
 ふたつ目は、マーケティングに徹底された遊びのない構造。帝王タカシを頻繁させすぎたり、三竦み構造をつくったり、読者が興味を持ちそうな試みが多い。小説家として、マーケッターとして、巧者になったことはよくわかるが、読んでいておぉって驚きや、ドキドキがない。

 うーん、シリーズの中だるみを感じる内容だった。次回に期待。